記憶の逆行性

おはようございます。湯浅です!

いよいよ日本政府から
緊急事態宣言がだされるようです。

今国民にできることは、不要な外出は控え
自分自身が媒介者にならないことを
意識することです。

自分が媒介者になってしまうことで
自分の大切な周りの人たちを
危険にさらさないよう心掛けたいですね。

本日のテーマは

記憶の逆行性

認知症になると広く知られているのが
物忘れですね。

物忘れは
・食事をしたことを忘れる
・しまった場所を忘れる
・家族に会ったことを忘れる

ついさっきの出来事を
覚えてられなくなることです。

これは一般的な物忘れと違うのは
その体験自体が欠落してしまうことで
起きてしまいます。

体験自体が抜け落ちているので
思い出すことができなくなってしまいます。

だから

「ご飯私はまだもらってないんだけど」

「さっき食べたでしょ」

「嘘ばっかり、私は食べていない!」

というような会話が発生してしまうんですね。

認知機能の低下が進むにつれ
より記憶の障害進行していきます。

すると

他の中核症状である
見当識障害
実行機能障害などが顕著になってきます。

そして自分自身の年齢がわからなくなることや
保持・想起できる記憶が
古い記憶になっていくことで

記憶の逆行性が表れてきます。

記憶の逆行性とは自分の生きている時代が
過去にさかのぼることを言います。

認知症の方に年齢を聞いた際に
「30歳です」と答えたり
「小学生の子供がお腹を空かせて待っている」

と答えられるのはその人が過去にタイムスリップして
その時代をいま生きているからになります。

我々からすると信じられないというか
想像できない世界かもしれませんが
記憶は新しい記憶から抜け落ちていきます。

ですから徐々に古く覚えている記憶が
残るのでこのようなことが起こります。

ひとつ気を付けていただきたいのは

家族が面会に来て分からない場合
記憶の逆行により、その時代の子供の顔を
覚えているので、今立派な大人になった
子供を見てもわからないだけの可能性があります。

記憶の逆行性を判断するポイント

記憶の逆行性を判断するポイントは

1.本人との会話からどの時代を生きているか観察する

2.職員や周りの人との関係性を理解しているか

この2つのポイントに着目してください。

職員や周りの人との関係性を理解しているかどうかは
職員(何かしてくれる人)と分かっているかになります。

もし分かっていないばあいは記憶の逆行性ではなく
見当識障害の「人」が障害されている可能性があります。

ケアのポイント

1.その人の世界観を壊さないことが大切

2.世界観に入って役を演じる

今生きている時代が違う方にこちらの時代の考えを
押し付けようとするのはかえって危険です。

本人は不安・不満・焦燥感・喪失感にかられ
BPSD(行動・心理症状)が出現して
より一層、ケアを難しくさせてしまいます。

それよりかは相手の世界に入って
会話することの方がよっぽど
お互いに気持ちも楽になります。

だからこそ

適切な認知症への理解が必要になってきます。

想いがあることは大切です。
でも想いだけでは介護はできません。

想いを実現するために
専門性を高めることが必要です。

本日はここまで
最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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