安心介護 監視と見守りの違いについて

おはようございます。

本日のテーマは「監視と見守りの違いについて」お伝えしていきます。

監視と見守りの違いとは

言葉としてはよく聞く事もあり、なんとなくニュアンスも理解していることだと思います。今回は良い機会なので、言葉の違いについても確認していきます。

 

監視とは、不都合なことの起らぬように警戒して人の動きなどを見張ること。

見守りとは、常時目を離さず、危険がないように気を配ることを意味する。

2つの言葉とも、「人」を見ていることに変わりませんが、目的が違うことが明らかです。

高齢者福祉や小児では主に安全に配慮し、保護する意味で見守りという言葉が用いられ、介護記録等でも記されていることが多いです。

ですが、現場では気づきにくいかもしれませんが、言葉では見守りと使っていても、それが実際には、監視になっている可能性があります。

現場で起きていること

現場では、日常業務や認知症の方への対応、転倒などによるリスク回避のため、めまぐるしく1日が回っています。はたから見ると時間はゆっくり流れていますが、現場スタッフは、常に次の行動を考えながら、動いています。

そのような多忙の中で、認知症の方への対応が一番、苦慮しているのではないでしょうか。

そして、この心の余裕のなさから、本来、見守りを行うはずが、監視になってしまっているのです。

例えば、施設内を歩き回られる、あるいは車いすで移動される利用者の方がいると、一緒に横に付き添って、危険がないよう、会話をして、安心、安全にその行為がなされるよう見守ることが求められます。

ですが、リスク管理ばかりに視点が行き、介護者目線のケアだけを考えてしまうと、不都合なことが起きないよう警戒して利用者のの動きを見張るようになってしまいます。

そこには心はなく、単に行動制限につながる対応しかなされなくなります。

「あっちに行かないで、こっちにいてください」

「立たないで座っていてください」

「無言で連れ戻す」

このような声掛けや対応が行われている場合、それは見守りではなく、監視になっています。

私自身もこのような対応や声掛けをしてしまっていたこともあります。また、他の職員の方々も同じような声掛けや対応を行っている場面を何度も見てきました。

ですが、これでは認知症の方本人からすると、安心、安全に生活が送れているとは言えないでしょう。

見守りを行うために

監視ではなく、見守りを行うために必要な事は、認知症の方が危険のない範囲でどこまでできるのかをしっかり観察しましょう。

観察をしないまま、過去のヒヤリハットや介護者の解釈で立ち上がるだけで危険と判断し、本人のできることですら制限してしまいかねません。

観察をしっかりすることで、本人のできること、できるけどサポートが必要な事、サポートがあればできるようになること、できないこと。と分類できるようになります。

これが分かれば、本人の困っているタイミングで手を差し伸べられるようになります。

できること・できないことの二軸で考えてしまうと両極端なアセスメントしかできないため、私は少なくとも四軸で考えるようにしています。

さらに、声掛けの仕方も重要になります。まずは本人に話しかけ、本人の想いを聴きとってあげることが重要です。

もし時間帯的に人手に余裕がある場合、一緒に歩くことも大切です。ですが、ただ無言で後ろから付いていくのは、やはり見守りではなく監視になってしまうので注意が必要です。

むしろ本人は、後ろから付けられていると不快に感じることでしょう。もちろん、ついてこないでほしいという方もいるので、その場合は、少し離れた位置や先回りして見守りができる配慮が必要になります。

もしお席に戻ってもらうにしても、単に連れ戻すのではなく、本人の声を聴いてから提案する形で、席に戻ってもらうことで、本人が自己決定した形になるので、無理やり戻された不快感は軽減されます。

まずは現場の対応が監視になっているか、見守りを行えているのか、再度見直してみて下さい。

本日はここまで、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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